【専門家寄稿】「車1割削減、渋滞半減、公共交通2倍」をめざして -第2回-

~第2回:熊本の渋滞の実態とバス会社の挑戦~
㈱トラフィックブレイン 代表取締役社長 太田 恒平氏

はじめに

 熊本都市圏では近年、「政令市ワースト」と言われる渋滞に加え、市電のトラブル、バスや熊本電鉄の減便、JRの混雑など、交通が社会問題化している。一方で、筆者らの研究活動が掲げた「車1割削減、渋滞半減、公共交通 2 倍」が県市の共通目標となり、課題解決に向けた動きが始まっている。
 全3回のうち今回は、市電・熊本電鉄・JR豊肥線への投資策を提案する。

目次

  1. 熊本市電:非常事態で危機的状況 ➡ 信頼できる組織と都市基軸になれるか
  2. 熊本電鉄:30分毎の乗換至便ダイヤ崩壊 ➡ 夢の都心直結でジリ貧脱却へ
  3. JR豊肥線:利用増も本数は最小限で混雑 ➡ 民鉄並の本数倍増

レポート一部

1.1 トラブル続きと減便による大混雑が社会問題化
 熊本市電では2024年以降、追突 1 件、脱線 2 件、重大インシデント 3 件を含む運行トラブルが多発し社会問題となっている。熊本市長は「非常事態で危機的状況」と反省を述べ、2025年 4 月までに予定されていた上下分離と延伸の設計実施は、安全対策を優先として延期された。
 トラブルと並んで話題となったのは、運転士不足を理由に2024年 6 月に行われた減便である。平日昼の本数はA系統が10分毎、B系統が20分毎と、2000年代の6 分毎・10分毎に比べ半分程度になった。減便に伴い混雑はますます激化している。郊外側起点の健軍町ではホームに 2 列に並び、停止線の先の軌道上に並んでもなお収まらず、横断歩道を挟んだ商店街にも列が伸びる時もある。起点からほぼ満員で来るため、途中電停では多数の積み残しが発生している。

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