【熊本経済100年史】 第5回 熊本県観光の変遷

はじめに

 2025年は昭和元年(1926年)から数えて100年の節目の年となる。この間、熊本県内の経済構造は大きく変化してきた。本シリーズでは、産業や人口の推移など様々な観点から熊本経済の100年を振り返る。本稿では、熊本の観光の変遷について考察する。

目次

  1. 熊本県における観光の位置づけ
  2. 熊本県の観光の変遷
  3. 熊本県の観光の課題

レポート一部

1.熊本県における観光の位置づけ

 2023年度の熊本県の観光消費額※は、3,733億円で1977年の統計開始以降、過去最高となった(図表1)。これは、同年度の農業産出額(農産物の売り上げ相当額)3,757億円に匹敵する額であり、観光が県内経済において極めて重要な産業に成長したことを示している。
 ここで、九州内(沖縄県を除く7県)での熊本県の延べ宿泊者数、旅行消費額※を確認する(図表2 )。延べ宿泊者数は福岡県の2,112万人に次ぐ840万人、そのうち外国人は福岡県の504万人、大分県の131万人に次ぐ100万人で、九州内3位である。一般的に滞在時間が長いほど消費額も増加するとされているが、熊本県は延べ宿泊者数が比較的多いにもかかわらず消費額は相対的に低い状況である。

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