【眺望】 心弾む “感動県くまもと” へ(1) 熊本県観光連盟 専務理事 倉光 麻里子氏

先の大雨により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。1日も早いご回復、復興を願っております。
さて、全国の有名観光地で外国人旅行者によるオーバーツーリズムが話題として取り上げられることが多くなりました。熊本市内においても、多くの外国人旅行者をお見かけします。実際、令和6年の熊本県における外国人延べ宿泊者数は、直行便の増加の影響などもあり、過去最高の147万人となりました。現在、一部国際線の運休など不安定な要素はありますが、インバウンド全体としてこの流れは当面続くものと思われます。
一方、宿泊者の8割を占める日本人延べ宿泊者数は令和5年から11%減の約660万人となっており、国内客の回復は大きな課題です。
観光は、熊本を代表する産業のひとつです。令和5年の県の観光消費額は、過去最高の約3,733億円に上り、農業産出額3,757億円に匹敵する規模となっています。また、観光交流人口増大の経済効果として、定住人口1人当たりの年間消費額135万円は、国内旅行者(宿泊)21人分、外国人旅行者6人分にあたるという、観光庁の試算もあります。人口減少により地域経済の縮小が懸念される中、観光交流人口を増やし、観光産業を持続可能な産業として成長させていくことは、地域経済の活性化に大きく貢献すると考えられます。
昨年度、県では「ようこそくまもと観光立県推進計画」が策定されました。基本目標は「日常を忘れるひととき、心弾む“感動県くまもと”」。 “くまもとらしさ”の探求や“今”“ここ”でしか体験できない“熊本ならでは”を意識した観光地域づくりを進め、訪れた人の満足度を高めることでリピーターの確保や消費を促す取組みを行うという内容になっています。
令和8年夏には、県が中心となりJRグループ6社と連携したデスティネーションキャンペーンが7年ぶりに開催されます。来年のキャンペーンに向け、8月27日から3日間、全国の旅行関係者を招いた全国宣伝販売促進会議やエクスカーションが行われ、熊本の観光や食の魅力がPRされました。私自身、改めて熊本の素晴らしさ、奥深さを実感するとともに大変誇らしく思えた時間でした。
熊本は豊かな自然、歴史・文化、魅力的な食、温泉etc、観光資源には事欠かない県です。熊本県公式観光サイト「もっと、もーっと!くまもっと。」を是非覗いてみてください。皆様方が思わず出かけたくなる県内各地の魅力が満載です。
当連盟では、これからも熊本の魅力を発信し、熊本が国内外から選ばれ、選ばれ続ける観光地となるよう取り組んで参ります。
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