熊本におけるTSMC進出の影響(2024)
はじめに
TSMC(台湾積体電路製造)の熊本第 1 工場が2024年12月に量産を開始した。隣接地では第 2 工場
の造成工事が始まり、2027年末の稼働開始を計画している。本稿では、2024年度の熊本県内の半導体
産業集積をめぐる情勢の変化や課題への対応について、2023年度版に続き考察する。
目次
1.TSMCの熊本進出の経緯と工場の概要
2.半導体関連産業集積に伴う動き
3.人材育成の取組み
4.地下水保全や農地確保の取組み
5.サイエンスパーク構想
6.経済波及効果
おわりに
レポート一部
1.TSMCの熊本進出の経緯と工場の概要
TSMCは2025年 4 月に開いた決算説明会で、第 1 工場の「歩留まりは非常に良好」とした。当初は
2024年末の建設開始を計画していた第 2 工場については「現地のインフラが整うことを条件に、2025
年後半に建設を始める予定」と説明した。2023年より台湾からの赴任が本格化し、県内在住の台湾出
身者は2024年 6 月末に1,753人と、2021年12月末の10倍近くに増えた。
