2025年度熊本県内企業の女性管理職登用状況及び、男性の育児休業取得状況調査

はじめに

 2025 年 6 月に決定された「女性版骨太の方針 2025」では、中小企業における女性管理職登用の促進を重点方針としている。また、2026 年 4 月以降に施行される予定の改正女性活躍推進法により、従業員 101 人以上の企業に対して女性管理職比率の公表が義務化されるなど、女性の管理職登用は重要な取組みとなっている。
 当研究所では「第 136 回熊本県内企業業況判断調査」の特別テーマとして、熊本県内企業の「女性の管理職、役員登用」「男性の育児休業取得」(2025 年 8 月時点)について調査を行った。
 本調査では、「女性の管理職・役員登用」および「男性の育児休業取得」について、昨年の調査結果と比較して大きな変化は見られなかった。一方で、自由回答では、女性社員の人材育成に取り組む姿勢や、男性の育児休業制度を整備する前向きな声が聞かれ、企業の意識や取組みの広がりがうかがえる。これらのテーマは、人材の採用・育成や社内意識の醸成など、時間を要する取組みであることから、今後の進展に期待したい。

目次

  1. 女性管理職登用率
  2. 女性役員登用率
  3. 女性管理職、役員登用の課題
  4. 女性管理職、役員登用のメリット
  5. 男性の育児休業取得

レポート一部

1.女性管理職登用率
 管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合(以下、女性管理職登用率)は、「0%」が 35.9%を占めた(図表 1)。政府目標の「30%以上」は 20.0%に留まっている。自由回答では、女性管理職の登用に積極的な声が聞かれるほか、女性管理職候補の人材育成が進み管理職のひとつ前のポジションへの登用を実現しているとの声も聞かれた。女性の管理職登用は、女性社員の採用や人材育成などが必要であり時間を要する取組みであるため、数年で登用率に大きな変化は見られないものの、徐々に取組みが進んでいる状況がうかがえる。
 業種別では、食料品以外の製造業や建設業、卸売業において「0%」の割合が他の業種に比べ高くなった。自由回答では、製造業の企業から女性技術者が少ないことを背景に管理職への登用が難しいとの声が聞かれた。従業員規模別では、「300 人以上」の企業で「0%」が 22.2%と他の従業員規模と比べ低い割合となった。常時雇用する労働者数が 300 名を超える企業には、女性の活躍に関する情報を公表する義務があり、人材獲得の観点からも女性活躍推進の取組みは不可欠であると考えられる。

調査概要

対象企業:県内主要企業 574社
調査期間:2024年8月1日~8月27日
回答企業:213社

レポート全文はコチラから

会員サイト(Actibook)へ

会員登録はこちら