No.488 女性が活躍できる地域づくりに向けて

1.ジェンダーギャップ指数に見る日本の現状
 世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数(2025)で、日本は118位とG7諸国において最下位となりました。政治分野での後退が目立つほか、経済分野でも女性管理職の比率などは依然として低いままです(図表1)。スコアが改善しない結果から、女性の能力が活かされにくい構造的な課題が解消されない現状がうかがえます。

2.理系人材とDXによる活躍支援
 特に、理系分野における女性の進出は限定的です。大学(学部)に占める女子学生割合が工学や理学で低い割合にとどまり、その結果、理系専門職における女性労働者割合も低くなっています(図表2、3)。
こうした中、2025年7月に政府・地方自治体・マイナビなどの民間企業が連携し「官民連携DX女性活躍コンソーシアム」が発足しました。女性が比較的賃金の高い理系専門職に就く機会を増やすことや、育児や介護と両立できる柔軟な働き方の実現を目指し、デジタルスキルの取得支援やキャリア支援、働き方の制度整備などに取組むとしています。

3.熊本県の現状
 熊本県でも、産学官連携による「熊本県女性の社会参画加速化会議」や女性活躍推進交付金などの取組みが進められています。一方で、女性管理職の登用等には依然として課題が残ります。当研究所では、2023年度より熊本県内企業を対象に女性管理職登用に関する調査を実施しています。最新の調査(2025年8月実施、速報値)では、女性管理職比率が「0%」と回答した企業が36.6%となり、前年から3.0ポイントの改善と大きな進展は見られませんでした。この調査では、女性管理職登用率の他、女性活躍推進における課題やメリット、男性の育児休業取得状況等を分析しています。詳細な結果を10月に公表予定ですので、ぜひご注目ください。

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